カクレクマノミ(海水魚) 飼育 失敗談①

おうちに簡単アクアリウム

Disney映画「ファイディング・ニモ」の鑑賞後、子供に泣きつかれ始まった海水魚水槽。子供の頃から飽きずに続けてきた淡水魚水槽。淡水魚水槽で培った経験と知識が多少はあったので、飼育や設備、メンテナンスなどについては、なんとなく理解していました。しかし、飼育水は淡水から海水に、飼育する生体も淡水魚から海水魚に変わるワケです。多少の知識はあるにしても、この時点ではやはり、まだまだ素人の域で、本当に失敗の繰り返しでした。しかし、今では海水魚水槽のキャリアも、なんとか20年近くになりました。

もし、これからカクレクマノミや海水魚の飼育に挑戦するというのであれば、家族になった魚たちを病気にさせたり、死なせてしまったりなどの失敗はなるべく避けたいですよね?

そこで今回は、思い切って「始めてみよう!」という初心者の方向けに、後悔しないためのアドバイスを難しい話を抜きにして、初心者目線で伝えられればと思います。

【水槽サイズ】                                    

ショップに行くと水槽は小さいサイズから大きいサイズまで色々あって悩みます。私も一番最初はまず、ここで失敗しました。「メンテナンスや管理は小さい水槽の方が簡単で楽そうだし、安くて、手軽そうだな。」と初めての方は感じると思います。私もそうでした。そして、30cmのキューブ水槽でカクレクマノミ2匹の飼育を始めました。海水魚水槽を始めた時はまだ貸家暮らしでした。リビングに120cmと90cmの淡水魚水槽があったので、玄関のシューズボックスの上に設置しました。映画の公開は2003年の11月でしたので、カクレクマノミ飼育を始めた時期は冬です。必要な物は専門店での購入ではなく、ホームセンターでした。人工海水の素はカルキ抜き剤入りで、10リットルの水道水に溶かして使用するタイプの物。次にオートヒーター。そして、水槽の淵に爪で本体を引っ掛けて使用する、おもちゃみたいな小型フィルターに同じくおもちゃみたいなLEDライト。底砂に使用するコーラルサンドは持ち合わせていたので、それを使用。今、思うと本当に有り得ない飼育設備でしたね…。

春が来る前のどこかのタイミングでイソギンチャクも追加して、とりあえず飼育は順調でした。簡単、楽そうという事で選んだ小型水槽。しかし、とにかくコケがすごい!コケ掃除をするために手を水槽に入れれば海水は溢れるし、除去してもまたすぐにコケが発生。照明の光もコケの発生や発育に関係しますが…。実はこれ、水道水が原因。水道水中に含まれているケイ酸というのが悪さをします。難しい話は省略。淡水魚水槽では、ここまでの面倒はなかったんですよね。ちなみに淡水魚水槽の飼育水は数日間、汲み置きして放置していた水道水を使用していました。「化学の知識」が入ってくるので、得意分野が化学だった方は別の意味で楽しいかもしれませんね。

いよいよ春が来て暖かくなり始めました。淡水魚水槽では、経験した事のないトラブルが発生しました。30cmのキューブ水槽という狭い水中空間と、独立した玄関ホールという狭い個室空間……淡水魚なら問題ありませんでした。海水魚やイソギンチャクは暑さに耐えられないんです…。地球温暖化でサンゴが減少してしまうくらいですからね。正直、本気で始めた海水魚水槽ではなかったので、設備への投資もあまり考えていませんでした。どちらかというと、淡水魚水槽歴があまりにも長く、愛着があったので…。しかし、子供の「ニモ愛」が冷めていなかったので続けるしかありませんでした。

それでは実際、どの様なトラブルが発生したのかというと…。                              水温の上昇です。

初めて見る光景に頭の中が真っ白になりました。出勤前に見た水槽とは別世界でした。                      カクレクマノミは死亡、イソギンチャクも溶けて死亡…全滅です。                           

こうなると、なにせ小さい水槽ですからリセットです。海水は全交換、底砂の洗浄、生体の再購入。水温の上昇が原因と分かれば、すぐに対策です。しかし、投資したくはありません。貧乏くさい、ど素人級の笑える発想ですが、水槽サイズにピッタリくらいの保冷剤で水温をキープさせました。保冷剤は1日に3回の交換です。この作業は相方さんに協力してもらいました。

とりあえず、この方法で数年やり過ごせました。とはいえ、病気になったり、死んだりはありましたが…。                                    失敗談はまだまだ続くので、参考になる事はあると思います。ここでの失敗で今だから言える事は水槽は小さいより、大きい方が良いという事です。何かと良さそうに感じる小型水槽ですが小さい分、汚れるのも早いですし、生体の数も入れられません。大きい水槽よりは、やはり不便かもしれません。人間だって、狭い空間よりは広い空間の方が健康にも良いですよね。リビングにある120cmと90cmの水槽も小さければ、おそらく経験した事のないトラブルが発生していたと思います。大自然の生態系を限られた箱の中に再現するワケですから………。ある程度、本気で挑戦するなら先行投資が大切です。余計な手間と出費を減らせます。そして、家族となった魚たちを苦しめずに済みます。